おとなの社交場にいた、少年のようなひと

少し前、ブルーノートという、

東京にあるジャズクラブにいった。

正しく言えば、

連れて行ってもらった。

…デート、なのかな?

よくわからないけれど。

まぁ、男の人と行ったのです笑

わたしはそういう場所に行くのははじめて。

連れて行ってくれた人は、

そのジャズクラブについたとき、

「ここが大人の社交場です」

と冗談めかして言った。

でもなんだか、

よくわからないけれど、

わたしはときどき23歳って、どんなことを知っていて、

どんなことなら知らなくていいのかわからないときがあって、

そう言われたときわたしは、

たぶん23歳が知らなくてもぜんぜんおかしくない世界に

連れてきてくれたみたいで

うれしくなった。

背伸びしたみたいな。

そんなかんじかな。

暗い会場の中で、なんだか洒落た飲み物を飲みながら、

ある人は足を組みながら、

ある人は少しゆれながら、

ピアノとギターとそのたもろもろの楽器をひく

ミュージシャンたちを見ていた。

こんな場所があるんだなぁ

って、わたしは思いながら、

精一杯この場所に馴染もうとしていました。

みんな、「ほんもの」を知っている顔をしている。

「大人の社交場」

ほんとにそんなかんじがした。

演奏も終わりに近づいた頃、

外国人のピアニストが

「立って。立って。みんなが踊るところが見たいよ」

と、笑うように言った。

大半の人は座ったまま、手を叩いて見続ける。

その中で、数人が立ち始め、音楽に乗って踊りだすと、

少しずつ立つ人が増えた。

最初のほうに立ち上がった人の中で、

すごく目につく男性がいた。

柄物のシャツを着ていて、

細くてそこそこの身長。

クリエイティブな仕事をしていそうなかんじ。

(これは勝手な想像だけど)

その男性は、驚くほど音楽にのるのが上手かった。

わたしはずっと、その人が乗る姿を見ていました。

だってあまりに上手かったから。

こぎれいな人が、すまして足を組み、鑑賞する中で、

彼は誰よりも早く踊りだし、

誰よりも上手に楽しんでいる気がした。

すごく素敵だった。

ちょっと前、好きなタイプってどんな人だろうと

自分に問いかけていたときがあったけれど、

いま、それに追加したい。

お茶目な人っていう項目を。

年をとることって、

「成長」なんだけれど、

その一方で、ちょっとずつ子どもの心を失っている気がする。

踊りだしたその人は、「子ども」を失っていなくて、

大人の社交場に満ちていた、ある意味では突きつけるような視線を

やさしく溶かしていた。

少年みたいであれる人って、いいな。

彼を見ていたら、外見の若さだけじゃなく、

内面の若さ、というより幼さと表現したほうが似合うような、

そんな部分を持ち続けていきたいなって思った。

これからどんどん、どんどん、

いろんなことを知っていったとしても。

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